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HImagination Gallery

徒然なるままに、思ったこと感じたこと考えたことを何とはなしに羅列していくものです。

初心者ライバーが本気で書いてみたことほのイフストーリー『あなたのために羽ばたきたい』


  あなたがあの時抱き締めてくれたから。
  今の私が、ここにいる。

(・8・)

「ことりちゃん!」

  その声を聞いたとき、思わず笑っちゃいそうだった。
  穂乃果ちゃんは、やっぱり穂乃果ちゃんなんだなって、そう思って。
  周りのことなんて考えないで、一人で走って、無茶して、私たちを振り回して。今だって私はもう、μ'sのことは忘れてしまおうと思ってたのに――

「……ずるいよ」
「え?」
「穂乃果ちゃん、ずるいよ!」

  きょとんとした顔の穂乃果ちゃんを見て、私はまた迷ってしまう。
  ただμ'sに一生懸命なだけ、ひたむきなだけな穂乃果ちゃんに、私のワガママをぶつけてしまうのがとっても辛いから。
  ずっと穂乃果ちゃんの隣にいたい――なんて、普段じゃ絶対に言えない。
  でも、もう、私だって限界。
「穂乃果ちゃんは……穂乃果ちゃんは、ずるい! 私だけ気を遣ってバカみたいだよ!」
「ちょっと待ってことりちゃん。穂乃果がずるいってどういう――」
「私だって、μ'sをやめたくなんかない! 留学のことだって穂乃果ちゃんに一番に相談したかったのに、穂乃果ちゃんは全然私のこと見てくれないんだもん!」
「ことりちゃん……」
  怒りたくなんかないのに。
  泣きたくなんかないのに、悔しくて、苦しくて、たまらなくなって涙がこぼれてくる。
「私は――」
  もう止まらない。
「私はただ、穂乃果ちゃんに――」
  止められない。
  これ以上は、ダメなのに――

「穂乃果ちゃんに、私のことを好きでいてほしいだけなのに!」

「ことり……ちゃん……?」
  穂乃果ちゃんはますます混乱してるってわかるのに、想いはどうしようもなく溢れてしまう。
「ただの幼なじみとか、ただの仲良しじゃ嫌だったの! だから、三人でμ'sを始めようって言われたとき、すっごく嬉しかった! でもメンバーが増えて、ラブライブに向けて頑張ってる内に、穂乃果ちゃんがどんどん遠くに行っちゃう気がして……」
  もう、穂乃果ちゃんの顔を見れない。
  涙で視界がぼやけてるからじゃない――穂乃果ちゃんが、いったいどんな顔をしてるかが、怖くて。
「ごめん、ね……私、気持ち悪いよね……? じゃあ、もう私は行くから――」
「待って!」

  穂乃果ちゃんが、私のもとに飛び込んでくる。

「……え?」
  穂乃果ちゃんが……。
  私を……抱き……?
「ことりちゃん、ごめん! 穂乃果、ホントにバカだったよ! ことりちゃんだけじゃない、皆の気持ちも考えないで勝手に調子に乗って、勝手にスクールアイドルやめるとか言って……」
「ほ、穂乃果ちゃん……」
「結局穂乃果のせいで、みんなをラブライブに出場させることができなかった! 本当にごめん、許してほしいなんて言わない! だけど――」
「……じゃあ、言って?」
「え?」
「私のこと、好きだって」
「………………」
「だめ?」
「わ、わかったよぉ……」

「ことりちゃん、好きだよ」

(・8・)

「ご、ごめんなさい~」
「遅くなってごめんね!」
「穂乃果、ことり! もう始まってしまいますよ!」
「揃って良かったぁ……」
「これで全員集合にゃー!」
「世話が焼ける先輩方ね」
「いったいどうなることかと思ったわ」
「二人とも、早く準備してや~」
「さあアンタたち、始めるわよ!」

  ねぇ穂乃果ちゃん。私、今とっても幸せだよ?
  だからこれからもずっと、一緒にいようね♪


fin.